2014年に完成したW邸。オーナーであるWさんは当社の女性社員です。
5年が経ち、当時を振り返りながら現在の様子をWさんにインタビューしました。
―住宅を建てようと思ったきっかけはなんだったんですか?
「建築を志すものとして、自分の家は自分でつくりたい、というのが夢でした。希望社には、住宅の取得を支援する制度があります。会社が販売・仲介する土地の情報が回覧されていたので、それらの物件を見たり、入札に参加したりしていました。
結婚して築20年のアパートに住んでいたのですが、本格的に動き始めたのは子供が生まれてからです。
私は岐阜、夫は北名古屋で働いていたので、一宮で土地を探しました。安い土地がなかなか見つからなかったのですが、300万円台で見つかったのでラッキーでしたね。広さは二の次でした。」
―お子さんが生まれたばかりで大変でしたね。
「0歳児をつれて銀行をまわっていました。(笑)育児休業中だったので動けた部分もありますが、まわった銀行は、休業中ということでまともに話を聞いてくれませんでした。会社からも銀行を紹介してもらって、進めることができました。」
―土地さがし、融資と進んで…計画だけでなく、社員として設計もされました。
「育児休業が終わり、復帰して初めての仕事が自宅の設計でした。設計をするのが初めてで子供が小さかったこともあり、施工は他の社員が担当したのですが、施工もやってみたかったですね。今思えばですが。」
―シンプルでローコストな設計ですね。
「3階建ての2LDKです。1階に寝室と浴室、2階にLDK、3階が子供部屋です。ワンフロアを1室で使うことにして、極力、間仕切りのないプランにしました。内外装はコンクリート打ち放しです。あとは、照明器具やエアコンの取り付け、外構工事は後から自分ですることにして、工事費を抑えました。」
―この考えは“家を安く建てる5ヶ条”として完成見学会に掲示してありましたね。来場者の目をひいていたのを覚えています。
「当時は子供がまだ小さく、特に3階は使わないのでエアコンや照明は必要ありませんでした。とにかくローンの金額を抑えたかった。」
―規格住宅や分譲住宅だと、子供部屋や親との同居などを想定して、部屋数の多い間取りをよく見かけますね。そういった部屋にも照明やエアコンはついているのが当たり前です。住まい方は変化するものと考えて、間取りや設備は必要になったら変える(設置する)ようにしているんですね。
また借入金額が抑えられるのは大きいです。アパートの家賃に比べるとローンの返済額はどうですか?
「住んでいたアパートは、駐車場1台で家賃が約6万円でした。土地と建物をローンでまかなって、最初の4年間は、少し多めに毎月約7万円を返済していました。今は返済額が減ったので約5万円です。部屋は今のほうが大きいですし、駐車場も2台になったので、建てて良かったと思っています。」
―さて、完成から5年が経ちましたがどうでしょうか。
「2人めの子供が生まれて、今は夫婦、7歳と3歳の子供で暮らしています。昨年、上の子が小学生になったので、3階の子供部屋に照明をつけました。でもまだ親と過ごす時間の方が多く、独立した子供部屋は必要ありません。エアコンはまだつけていません(笑)
間取りはそのままです。子供がもう少し大きくなって、友達を連れてくるようになったら部屋が欲しいと言うかな…。」
―使い勝手はどうですか?
「バルコニーを広めにとってよかったです。子供の遊び場になっています。あとは…お風呂の窓はいらなかったな。窓があると汚れがつきやすいので。」
―鉄筋コンクリート造打ち放しというと、暑さや寒さ、結露を心配される方が多くいらっしゃいます。その点はどうですか?
「夏はエアコンを使い、冬に石油ファンヒーターを使っています。夏は問題ないのですが、冬は暖まるのに時間がかかるなぁと思います。
結露は、築2年頃がすごかったです。下の子の育児休業中で、家にいることが多かったことも関係したのではないでしょうか。3階の窓につきやすいので、こまめにとって換気するよう気をつけています。
冬場、玄関でカビを見つけたので、高温スチームとアルコールでとりました。オススメですよ。」
―今後の予定はありますか
「子供が成長し、子育てが楽になってきたので、そのままにしている外構を整えたいです。後は部屋をすっきりさせたいですね…工事は関係ないか(笑)」
―ありがとうございました。
予告
家族の成長や住まい方の変化に合わせて住宅も変えていく、そんな考えをお持ちの建築主を紹介させていただきました。
記事内でも簡単に触れていますが、当社では、建築主に協力いただき、建物が完成した際に見学会を実施しています。会場では、安く建てるためのポイントを紹介したり、無料で建築相談をお受けしたりしています。
次回開催するのは、現場レポートで取り上げている、岐阜市加納の住宅です。お楽しみに!
- 参考:W邸実例
- 参考:新築現場レポート第一回
- 参考:新築現場レポート第二回
- 参考:RC造平屋住宅、8月24・25日完成見学会開催!<岐阜市>